のまど的建築
2023年2月28日
先日、ある集まりで、自分の事を3分間プレゼンする機会があり、
どんなテーマでもOKだったので、この機会に自分の建築ルーツを振り返ってみることにしました。
私は建築家の坂 茂さんをとてもリスペクトしています。思い返せば
2007年に東京お台場で開催された、写真家グレゴリー・コルベールの
展覧会のために坂さんが設計した、ノマディックミュージアムを訪れた時の衝撃は
自分の建築に対する価値観を大きく揺さぶられた経験でした。
この建物は、レンタルの貨物コンテナを構造体とし、リサイクルした紙管の柱と、
リユースされたアルミフレームや膜材を使い、世界各地を回るノマド的美術館として、当時話題になりました。
写真のように、内部空間もとても印象的で、まるでギリシャの神殿のような象徴的な空間だったのを覚えています。
まだまだ持続可能などといったワードがメジャーになる何年も前から、このようなありふれた物を使って「レンタル・リユース・リサイクル」の3R建築を
設計されている坂 茂さん。
坂さんといえば紙管を使った建築がとても有名ですが、その紙管を使って東日本大震災や現在のウクライナ難民のシェルターなど、
世界各地でのボランティア活動もずっと続けられています。
どこにでもある素材で、簡単に組立が出来るノマド的な建築は、これからの建築のあり方のヒントがいっぱいありそうな気がします。
建物をつくるという建築家の責任は何かを考え、これまで培ってきた経験を被災者のために役立てたいと、
地道に災害支援をつづけられている坂 茂さんの姿勢は、学生時代多くの事を学ばせてもらいました。
私はこんなスケールの大きなことは決してできませんが、少しでも建築で社会貢献できるよう、がんばりたいと思います!