ももくり三年たちばな百年

先日、名栗加工で有名な大阪の橘商店さんを見学させていただける機会があり、行って来ました。

「名栗(なぐり)」とは、角材や板(主に栗の木)に突き鑿(ノミ)やちょうななどの道具で独特の

削り跡を残す日本古来からの木材加工の技術の事です。

 

我が家の玄関ドアも、この橘商店さんの名栗の板を使わせて頂きました。

今回、工場は初めてでしたので楽しみに伺いました。

 

お店の前のトラックには大きな栗の木が。。杉やヒノキなどの針葉樹と比べ、

栗などの広葉樹はゆっくりと大きくなるため、量の確保が難しく、常時市場に

いい材料があるとも限らないのだとか。

突きノミ名栗の作業の様子。リズミカルに突きノミを挽いていきます。

仕上がりの様子。職人さんの熟練の感覚だけで、ほぼ等間隔に名栗加工がされています。

 

つい最近、ショールームを作られたそうで、見学させて頂きました。

SWINGの小泉さん設計のショールームはオール栗材で出来た贅沢な空間でした。

橘商店さんが創業されたのは明治43年で、ほぼ100年にわたって大阪で唯一、

名栗に特化した材木屋さんとして加工技術を受け継いで来られました。

(タイトルの「ももくり三年たちばな百年」は四代目社長の橘さんがおっしゃられていた言葉です)

名栗加工は数寄屋建築には欠かせない存在でしたが、最近では店舗や住宅などにも意匠として使われるようになっています。

 

四代目の橘社長は、設計士の方々や工務店さんとコミュニケーションを取りながら、

時代のニーズにあったモノづくりをされています。

手仕事の温かみのある名栗は、チャンスがあれば使ってみたい仕上げの一つです。

 

隅々までご案内下さった橘商店様、ありがとうございました!

 

 

とみんぐ
  • とみんぐ

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