かたちのないもの
2023年5月19日
先日のこと、姫路市立美術館のカフェで外を眺めながら雨宿りをしていると
外に急に立ち込めた白い霧。。
きっと何かのインスタレーションに違いないっ、と慌てて外に飛び出すと、
それは中谷芙二子さんの霧の彫刻という作品でした。
あっという間に、真っ白な世界。ふわふわ、雲の中にいるようで、重力を忘れてしまいそうです。
こんな感じで一寸先も霧、です。
霧はその場の空気の流れに乗って、 対流したり、地面を這って行ったり、その場のその時の状況で
自在に形を変えて変化し続けます。
そして数分間ののち、この彫刻は跡形もなくなくなりました。
これまで彫刻のイメージは「物質化された動かないもの」だった私にはこの彫刻は
とても新鮮でした。
水、という単純な素材を用いて、自分の五感を刺激された、おもしろい体験でした。
かたちのないもの、消えてなくなるものを使って場の現象を作る、そういう即興的なものに惹かれます。