かたちのないもの

先日のこと、姫路市立美術館のカフェで外を眺めながら雨宿りをしていると

外に急に立ち込めた白い霧。。

きっと何かのインスタレーションに違いないっ、と慌てて外に飛び出すと、

それは中谷芙二子さんの霧の彫刻という作品でした。

あっという間に、真っ白な世界。ふわふわ、雲の中にいるようで、重力を忘れてしまいそうです。

こんな感じで一寸先も霧、です。

霧はその場の空気の流れに乗って、 対流したり、地面を這って行ったり、その場のその時の状況で

自在に形を変えて変化し続けます。

そして数分間ののち、この彫刻は跡形もなくなくなりました。

これまで彫刻のイメージは「物質化された動かないもの」だった私にはこの彫刻は

とても新鮮でした。

水、という単純な素材を用いて、自分の五感を刺激された、おもしろい体験でした。

かたちのないもの、消えてなくなるものを使って場の現象を作る、そういう即興的なものに惹かれます。

とみんぐ
  • とみんぐ

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