デザインを考える上で常に道標にしている言葉があります。
“Less is more”
ドイツの建築家、ミース・ファン・デル・ローエの有名な言葉です。
削ぎ落していく作業というのはなかなか大変でもありますが、本質が見えてくる
大事な作業ような気がします。
現在工事中の歯科クリニックのKANSO構法もその哲学が根底にあります。
構法も使う材料もシンプルに、分かりやすくすることで、
簡素で豊かな暮らしを実現できるという事を提唱しています。
そのKANSO構法の第1号に伺う機会がありました。
スイスの中央アルプス、標高1200mのツヴァイジンメン村にあるN11 Architekten シェア・サシャ(Schär Sascha )さんの自邸兼アトリエ。
シェアさんは大工でもあり、建築家でもあります。

窓からは絵画のようなスイスの景色が広がります。

外壁には地域の木材の一番外側の外皮付きの辺材を使い、内部は厚みを持った木材のみ、床は土間で構成されています。
こんなスイスの山あいの場所で、特別な暖房設備を何も付けず、建物に蓄熱された日射エネルギーのみで
冬も快適に過ごしているそうです。
私が伺ったのは秋の肌寒い季節でしたが内部はとても快適な環境でした。
また、シェアさんは究極のミニマリストでもあります。
使っている家具は全てリサイクルのもの。

キッチンや本棚もリサイクル品を上手に使っていました。

冷蔵庫においては、存在せず、保存は窓の外!
気温と湿度の低いスイスならではです。
環境負荷のかかる飛行機には一切乗らず、移動は基本自転車という徹底ぶり。
シェアさんの生き方そのものが、このKANSOという構法につながったのだと
建物だけではなく、シェアさんのお人柄にもインスパイアされた体験となりました。

